2022年中に正式決定する予定の日本初のIRの最終候補地の1つである長崎県は、資金調達・融資に関わる海外事業者の名前を公表しました。長崎IRは、佐世保市のハウステンボスで2027年に開業する計画です。
カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業資金として5000億円以上を調達できる見込みだとしてきた長崎県は、これまで企業名の公表を避けてきました。長崎県の大石知事は知事定例会見で、アメリカのキャンター・フィッツジェラルド証券とスイスのクレディ・スイス・グループの2社との調整ができたとし、事業者名の公表に至った経緯に言及しました。
長崎県が推進する長崎IRは約4393億円の資金調達を目指しており、そのうち約1,753億円をIR事業者であるカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパンへの出資金、残りの約2,630億円を金融機関の融資で賄う想定です。2社からの調達金額の公表は両者の了承を得ていないとし、県は詳細の公表を避けました。
2022年中に正式決定する日本初のカジノの開業の候補地は、申請を行った大阪府・大阪市の夢洲と長崎県佐世保市のハウステンボスの2カ所に絞られています。
長崎IRは、テーブルゲームを約400台、マシンゲームを約3000台を設置する計画で、県は「ヨーロッパのカジノがあえて正装で出かける大人の社交場ともされることを踏まえた、格式高いゆとりある雰囲気を醸成する」としています。
初期投資に4,393億円が投資される長崎IRは、開業5年目である2031年度の年間売上高を2,716億円と見積もっており、そのうち2,003億円(売上高の74%)をカジノのゲーミング部門で稼げると試算しているようです。
また、カジノ施設の他に、国際会議場や大型宿泊施設ホテル、ショッピングモールなど、九州随一の観光スポットとなる見込みです。宿泊施設は2522室ほど整備する予定で、「革新的なラグジュアリーホテル」「伝統的な温泉旅館」「ヨーロッパの老舗ホテル」「現代ヨーロッパ風カジュアルホテル」など、「新と旧」「和と洋」の融合したような施設となります。